2025年10月11日土曜日

ある保護鳥の話

 今年の保護鳥は春から10羽余りの数になる。その中から印象に残る1羽のメジロのことを 

 ご紹介します。

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2025年の7月、保護員である私は、(羽根が生えそろっていない)1羽のメジロを預かること

になった。名はメジロからメジコと名づけた。まだ、目も開いておらず開いたのは数日後だ

った。大根葉の入ったすり餌(ホームセンターで買う)と果汁100%のミカンジュースはとて

も気に入っていた。数日経った頃、目の周りが薄っすらと白くなり、20日頃には白い産毛の

リングがあった。やがて、片方の足が変なのに気がついた。

畚(ふご)で生活をさせていたが、ときおり足が畚の糸に絡むようになった。そしてそれ

は、もう一方の足にも広がっていった。艶のいい羽の色、そして可愛い目。可愛かった。今

から思えばその頃が一番調子が良いい毎日だったように思う。食事は一生懸命に食べている

ようだしジュースも飲んだ。とても元気そうに思えた。でも、何故か日に日に痩せはじめてい

った。狭いかごの中で移動しようと思えば足が悪く翼を動かすしか方法はなかった。だんだ

んと翼も痛んできて・・。可哀そうで可哀そうでたまらない。夜になるとメジコを連れてTV

を見るというメジコにとっての自由な時間をつくった。それでも時々暴れて床に落ちること

があった。夜は畚の中で休むようにしていた。メジコがいない、遠くへは行けない筈。籠の

手前の壁にボードがかけてあり、気がついてみるとボードの後ろから可愛い目が光ってい

る。そっと、そっと手を差し述べてメジコに触れて安心した。それから数日経ったころ、メ

ジコの足から血が出ているのに気付いた。薬は人と一緒、と聞いていたので塗り薬をぬっ

た、でも、血は止まらなかった。何日たっても、血は止まらず、それでも餌やジュースを飲ん

でいたし、一抹の不安はあったものの・・・929日の昼、メジコは冷たくなっていた。鳥た

ちの棲むお墓に仲間入りをした。メジコの傍にはキキョウの花がそえてあった。(元気にして

あげられなくてごめんね) KM

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今年、保護した野鳥は10羽以上になる。私が住んでいる京都市の中でこのような役割を担っ

てくれる人が増えることを切望いたします。

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