1986年と1988年に私は中国・江西省にあるポーヤン湖を訪問した。それは1983年にソデグロツルがポーヤン湖で越冬していることが発表されたことで話題になり、3年後日本野鳥の会が募集したツアーに参加した。そこで遠藤公男さんと出会うことになる。
ツル、サカツラガン、ハイイロペリカン、ノガンの群れに圧倒された探鳥三昧のツアーだったが、村に酒場があることを見つけ、ある夜遠藤さんたち4名で宿舎を抜け出した。そこで分かった日中戦争の出来事が、私たちには衝撃だった。
鳥ばかり追いかけていたことを恥じて、私は1988年再びポーヤン湖を訪問するツアーを企画した。安価にするために中国の旅行社と直接交渉し、ビザも自分たちで取り、航空券も苦労して手に入れた。私はまだ30代、旅行業の免許もなしに組んだツアーにある旅行社から脅迫電話も受けた。
日中戦争の出来事を調べるには困難があったが、その後著者の遠藤さんは何度も足を運びやっとの思いで刊行することが出来た。当時ポーヤン湖を訪問した人たちにはそれぞれの思いがあるだろうが、私としても青春のひとこまでもあった。
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(著者あとがきから)
「ポーヤン湖は中国最大の淡水湖だが、奇跡のようにソデグロズルの大群が発見されて脚光を浴びた。訪ねてみると、夢のような原野の中の湖なのにツルたちは警戒心が強い。実は湖に狩猟隊がいて、小舟で暗夜、何百羽もの白鳥やツルを捕って売ったり食べていた。わたしは保護に尽力した老人に会い、若者の結婚式に呼ばれ、占領した日本軍がしたことを発掘。日本人の探鳥ツアーは村人との心温まる交流をした。」
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